こんにちは、フォトグラファーのryuです。
今回は小さな被写体を画角いっぱいに収めることができるのが魅力のマクロレンズについてのお話です。
私がメインで使っているEマウントは、ソニーが展開するミラーレスカメラ用マウントです。フルサイズからAPS-Cまで幅広いサイズのカメラに対応しており、更にサードパーティへのマウント開放も行っているので、それに比例してマクロレンズも非常に豊富なラインナップが出揃っています。
本記事では、Eマウント用マクロレンズのおすすめをご紹介します。APS-Cで使う場合は焦点距離を1.5倍して考えてください。(例:90mm=135mm)
マクロレンズの選び方
まずは何はともあれマクロレンズの選び方からです。マクロレンズを選ぶ際には、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 焦点距離
マクロレンズの焦点距離は、大きく分けて標準マクロ(50mm前後)と中望遠マクロ(70mm以上)の2種類があります。
標準マクロは、人間の視界に近い画角のため、マクロ撮影以外にも風景や人物などのスナップ撮影にも活用できます。中望遠マクロは、被写体から離れて撮影できるため、ワーキングディスタンスが稼ぎやすく、昆虫や動物などの撮影に向いています。
- 最大撮影倍率
最大撮影倍率は、被写体を等倍で撮影できる倍率です。最大撮影倍率が高いほど、被写体を画角の中に大きく写すことができます。マクロ撮影の醍醐味とも言える性能ですので、できるだけ最大撮影倍率の大きなレンズを選びたいです。
- 開放F値
開放F値は、レンズの明るさを表す値です。開放F値が明るいほど、被写体や背景をぼかして撮影しやすくなります。ただマクロ撮影は接写する関係上被写界深度が非常に浅くなるのでレンズの明るさはそこまで重要視しなくて構いません。それよりは描写のキレであったりレンズそのものの操作性等を重視しましょう。
- 手ブレ補正
手ブレ補正は、手持ち撮影で手ブレを抑える機能です。マクロ撮影は、被写体に近づいて撮影するため、手ブレが発生しやすくなります。そのため、手ブレ補正の搭載は、マクロレンズにおいて重要なポイントです。ただガチでマクロ撮影をする場合はほとんどの場合3脚を利用するので意外と手振れ補正はOFFで撮影することも多いです。
Eマウントで使いたいおすすめマクロレンズ
ここからはEマウントで使いたいおすすめマクロレンズをご紹介します。
フルサイズ対応
- FE 90mm F2.8 Macro G OSS
ソニーの純正フルサイズ対応Gレンズです。最大撮影倍率は1:1と等倍撮影が可能で、開放F値は2.8と明るいため、ボケを活かした表現にも向いています。また、手ブレ補正も搭載されているため、手持ち撮影でも安定した撮影が可能です。私の一押しマクロレンズです。
マクロレンズなので若干AFが遅いですが中望遠レンズなので使おうと思えばポートレート撮影などの普段使いでも使えます。
ソニー マクロ フルサイズ FE 90mm F2.8 Macro G OSS Gレンズ デジタル一眼カメラα[Eマウント]用 純正レンズ SEL90M28G |
- FE 50mm F2.8 Macro
ソニーのフルサイズ対応標準域のマクロレンズです。こちらも最大撮影倍率は1:1と等倍撮影が可能で、開放F値は2.8と明るいため、ボケを活かした表現にも向いています。また、コンパクトで軽量な設計のため、持ち運びにも便利です。マクロレンズなのでAF速度は遅めですが、それさえ許容できれば50mmという汎用性の高い画角ですのでスナップ的にマクロレンズを持ち出すことができる面白いレンズです。
ソニー マクロ フルサイズ FE 50mm F2.8 Macro デジタル一眼カメラα[Eマウント]用 純正レンズ SEL50M28 |
- 105mm F2.8 DG DN MACRO
サードパーティメーカーであるシグマが出している中望遠のマクロレンズです。最大撮影倍率は1:1と等倍撮影が可能で、開放F値は2.8と明るいため、ボケを活かした表現にも向いています。先ほど紹介したSonyの90mmマクロと立ち位置が若干被りますが、こちらはより望遠寄りに作られているのでワーキングディスタンスを稼ぎやすくなっています。また価格もSony純正90mmマクロよりも数万円安く買うことができますのでコストパフォーマンスに優れているマクロレンズです。
シグマのArtラインに属するレンズですので描写のキレは目を見張るものがあります。個人的には描写がキレッキレすぎるのでポートレートには少し向かないレンズかなという印象を受けました。女性の肌の映らなくていいところまで写し取ってしまう…それくらいの画質を持っています。
一方でポートレート撮影に重要な背景ボケはうるさすぎない美しいボケをしていますので、実際に見てみて好みで選んでみるのも全然良いと思います。
- フォクトレンダー MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical
サードパーティレンズメーカーのコシナが出しているマニュアルフォーカスのマクロレンズです。最大撮影倍率は1:2と今回紹介する中では唯一等倍撮影ができないレンズです。いわゆるハーフマクロってやつですね。なぜあえてこのレンズを紹介するのかと申しますと、やはりマニュアルフォーカスが映し出す解像感を体感して欲しいからです。
一般的にAFレンズよりも構造が単純にできるマニュアルレンズの方がレンズ設計において有利であり、画質の面でも優れていることが多いです。この65mmF2もご多分に漏れず、解像力は半端ないです。よく画質の優れたレンズを表現する時に「空気すらも写せるレンズ」なんて言ったりしますが、このレンズがまさにそうです。
テーブルの上の何気ない物を写すだけでも描写に物を言わせる形で素晴らしい作品に見えてしまいます。感動的な描写力を持ったハーフマクロレンズです。
さらに開放F値も2と明るいため、ボケを活かした表現にも向いています。マニュアルフォーカスは普通ならばデメリットになることもありますが、そもそもマニュアル撮影が殆どのマクロ撮影においてはその限りではありません。
むしろ普段使いの中にハーフマクロまで含まれている万能マクロレンズといったイメージで使うと満足度の高くなること間違いなしです。
まとめ
Eマウント用マクロレンズは、純正からサードパーティ製まで非常に幅広いラインナップが揃っています。値段もピンキリでマクロレンズ入門者から上級者まで全てのユーザーを満足させるラインナップを持っています。
是非ともご自身の用途や予算に合わせて、最適なマクロレンズを選んでみてください。
マクロレンズを活用して、日常の風景や被写体を、新たな視点で切り取ってみるのもおすすめです。登山に行って遠景の風景を撮ったその流れで花の雄蕊を撮ったりすると滅茶苦茶楽しいですよ。
マクロレンズって使ったことないしよく分かんない…っていう人もレンズのレンタルで一度試してみるとマクロレンズの魅力に気付けると思います。特殊なレンズではあるので最初から大金出して購入するのってハードル高いですしね。
楽しいマクロレンズライフをお送りください。