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富士フィルムのカメラが品薄になる理由

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こんにちは、フォトグラファーのryuです。

今回は先日発表された富士フィルムのカメラ製品値上げ発表について思うことがあったのと、そもそも富士フィルムのカメラ自体売っていない事についての話です。

ちなみに私は今はSONYのカメラ、一つ前はCANONのカメラと使ってきました。富士フィルムのカメラは私の妻がX-T5を保有していて私もよく使いますので無関心ではいられません。

富士フィルムは相当苦しい。その理由は二つ。

富士フィルムのカメラと言えばオシャレなボディデザインや独特の写真表現ができるフィルムシュミレーションの機能が人気で常に在庫が無く、日本国内ではほぼ受注生産くらいの勢いで品薄です。人気のXT-5やX-S20等は受注生産どころか受注停止の事態にまで陥っています。(2023年11月現在)

当然そうなれば中古市場も暴騰に次ぐ暴騰で正気とは思えない価格にまで値上がってしまっています。例えば一年近く受注停止しているコンデジ【X100V】なんかは登場当時は新品が16万円程度だったのですが、今や中古でも26万円以上します。

とにかく今富士フィルムのカメラを日本国内で購入しようとすると訳の分からないプレミア価格で買わないと手に入らない状態になっています。まさに昔懐かしの「物売るってレベルじゃねぇぞ!」って状態です。

これ程までに富士フィルムのカメラが市場から姿を消しているのにはいくつもの理由がありますが、最も大きな要因としては日本国外への転売と部品調達力の弱さにあると思われます。

富士フィルムカメラの国外転売

富士フィルムのカメラやレンズが手に入らなくて悔しい思いをされている方は大勢いらっしゃるかと思いますが、実は富士フィルムのカメラって海外だと普通に買えます。
店頭やオンライン販売にも在庫は普通にありますし適正価格で販売されています。

じゃぁなんで日本国内はこんなに品薄なんだよって思われると思います。

これは実は昨今の円安と富士フィルムカメラの仕様が国外への転売を促進してしまっているからなんです。

そもそも円安になると海外のお金を日本円に両替すると多くの日本円が手に入ります。その日本円で日本国内でカメラを買い海外で販売すると、カメラを為替レート分安く仕入れることができているので大きな金銭的利益を手にすることができます。

まぁいわゆる「転売ヤー」ってやつですね。まぁ昔は円高だったので日本人が同じ事をしていた時もあるので仕方ないことではありますが…。やはり使ってなんぼのカメラをマネーゲームの道具にされるのは良い気持ちはしないですよね。

そしてもう一つ転売を促進してしまっている要素として富士フィルムのカメラが多言語対応してしまっていることにあります。
最新のSONYやCANONのカメラをお持ちの方はカメラ設定を見てほしいのですが、恐らく言語表示の設定項目がない、もしくは日本語と英語の二つからしか選べないパターンが殆どだと思います。

メーカーから明言はされていませんので憶測の域を出ませんが、これは恐らく為替による転売対策だと思われます。

では肝心の富士フィルムはどうかと言うと、言語設定が自由自在で非常に多くの言語が選べるのです。

これでは国外転売してくれと言っているようなものです。だって日本で買って海外で転売すれば海外の人達は普通に使えるのですから。そういった事情から日本のカメラ店には海外のバイヤーが大挙して押し寄せています。

これが日本国内で品薄になっている理由のひとつ目です。

富士フィルムの部品調達力の弱さ

カメラ業界に身を置いているとつい忘れそうになりますが、一眼カメラ産業って間違いなく斜陽産業です。CANONやSONYのようなプロユースのカメラを作っているメーカーはこれからもビジネスとして続けるでしょうが、富士フィルムのように一般ユーザーがターゲットのカメラメーカーは中々辛いです。

というのもスマホの台頭は明らかに一眼カメラの存在意義を薄くしました。殆どの人には画質の良さよりも手軽に持ち運べて、すぐにSNSにアップロードできるデバイスの方がメリットが大きいのです。

そういった意味からカメラ業界は全体から見ると大分立場が弱い産業なわけです。

産業として弱いということは半導体などの貴重な部品の供給も、どうしても後回しにされてしまうのは当然といえば当然です。社会全体で見れば車やスマートフォンの方がニーズや市場規模は遥かに大きいですからね。

更に更にそのカメラ業界の中でもメーカーのヒエラルキーが存在します。

一眼ミラーレスになってからのシェアはSONYとCANONが合わせて70%近いシェアでトップ争いをしています。つまり数少ない部品供給も上位のメーカーだけで7割近く使われているわけで、部品メーカーに対する優位性も富士フィルムとCANONでは段違いだということです。

1000台分のカメラ部品を発注できるメーカーと1万台分のカメラ部品を発注できるメーカー、どちらの方が強いかは言うまでもありません。

これが富士フィルムのカメラが日本国内で品薄となっている理由の二つ目です。

富士フィルムのカメラはいつになれば買えるのか

ツチノコくらい希少になりつつある富士フィルムのカメラですが、一体いつになれば普通に買えるようになるのでしょうか?

私が考えるに、恐らく2023年の富士フィルムカメラ商品の値上げは前述した転売への対策なのではないかと思っています。

結局のところ国内で安く買えて国外で高く売れるから転売がされるわけで、単純に考えれば日本国内の価格を為替差含めて海外と同程度にすれば転売はされないわけです。

転売はされないわけですが正直日本国内のユーザーからすれば心中穏やかではいられません。

そもそも生産が追い付いてなくて手に入らない上に受注停止にまでされて、注文すら受け付けてもらえない状態で「ハイ明日から値上げしまーす」って言われたらそりゃ怒る。この辺は富士フィルムもマズい対応だったんじゃないかなーと思います。

結局いつになれば買えるのかは為替の変動や世界的な部品不足、他社との兼ね合いなどによるのでしょうが、抱えているバックオーダーも考えれば1,2か月で品薄が解消されることはまず無いでしょう。

富士フィルムは良いカメラを作っているのに、生産でケチが付くのは本当にもったいないですよねぇ。

まぁ為替差で儲からない日本国内向けの供給絞って、儲かる海外へ供給回している部分は大いにあるのでしょうけどね!

富士フィルムさんこのままじゃ他マウントへ移行する人いっぱい出ちゃいますよー。

是非頑張ってください。X-T5ほんと良いカメラです。

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ryu@photographer
カメラの種類を問わず「カメラ」そのものが大好きな30代男性です。 10代の頃から様々なカメラを使い倒し写真歴は10年以上です。 自分で購入したカメラ遍歴は CANON(EFマウント) ↓ CANON(RFマウント) ↓ SONY(Eマウント) となっております。 このブログではカメラに関する事をメーカーや機種問わずピックアップして話題にしたり、写真についての雑感やちょっと得する知識等を発信していきます。